Claude Code で作ったアプリは、公開できます。ただし、Claude Code が「動く」と言うことと、公開してよいことは別です。誰が使うか、どんなデータを扱うかで確かめる深さを決め、下の5つの問いに答えられることを、Claude Code の報告とは別の方法で確かめてから出してください。
この記事が扱うこと
どのサーバーにどう載せるか、という手順は扱いません。手順は、使うサービスの公式ドキュメントに書かれています。ここでは、手順に入る前の「公開してよいか」の判断に絞ります。
判断の順序
1. 確かめる深さを決める
全部を完璧にしてから出す必要はありません。次の2点で、深さが決まります。
- 誰が使うか。 自分だけ、社内の数人、取引先、一般の利用者。
- どんなデータを扱うか。 個人情報や決済を含むか。
社外の人が使う、または個人情報や決済を扱うなら、下の5つの問いは公開前に必ず答えられるようにしてください。答えられないものは、確かめていないのと同じ扱いにします。
2. 5つの問いに答える
| 問い | 一言でいうと | 詳しくは |
|---|---|---|
| 秘密の鍵が、外から見える場所にないか | 公開した画面の配信コードと、公開リポジトリを検索する | APIキーがブラウザやコードから見えていないか |
| ログインした人が、他人のデータに触れないか | アカウントを2つ作って試す | ログインと権限の制御 |
| データが消えたら、戻せるか。誰が気づくか | 戻したことがあるか | バックアップと監視 |
| 連携先が止まったり、データがおかしかったりしたら、どうなるか | うまくいかない場合を試す | 「うまくいかないとき」の処理 |
| Claude Code が、本番のデータや鍵に触れる状態になっていないか | 開発と本番を分ける | 開発環境と本番環境の分け方 |
5つ目は、Claude Code のように、ファイルを書き換え、コマンドを実行できる道具に特有の問いです。公式ドキュメントは、Claude Code を「コードベースを読み、ファイルを編集し、コマンドを実行する」ツールと説明しています。作る道具が、本番にも手を伸ばせる状態になっていないかを見ます。
3. Claude Code の「できた」は、別の方法で確かめる
Claude Code が「テストは通りました」「動きました」と報告した部分は、自分で実行するか、CI など別の仕組みで実行して確かめます。私たちの現場での例と確かめ方は、AIの「成功しました」をそのまま信じないにまとめています。
4. 公開後に誰が運用するかを決める
公開は終わりではありません。止まったとき、直すとき、誰が動くのかを公開前に決めておきます。作った本人しか直せない状態は、公開してから困りやすい点です。
Claude Code の設定は、公開してよい根拠にならない
Claude Code には、作業中の権限や、プロジェクトごとの指示ファイル(CLAUDE.md)があります。整えておくと、作業は安全で進めやすくなります。ただ、これらは「Claude Code が作業中に何をするか」に関わる設定です。「作ったアプリが公開に耐えるか」を保証するものではありません。
公式ドキュメントに、判断に関わる説明が2つあります。
- 権限: 手動で確認するモードでは、Claude Code は読み取りだけの権限で始まり、ファイルの編集やコマンドの実行の前に確認を求めます。ただし、承認したコマンドは、利用者のアカウントが書き込める場所ならどこにでも書き込めます。承認する側が、内容を確認する責任を負います。
- CLAUDE.md: 公式は、CLAUDE.md を「context, not enforced configuration」と説明しています。強制されるものではなく、文脈です。確実に止めたい操作は、権限の拒否ルールなど、設定側で強制する方法を使うよう案内されています。
私たちは、ここから次のように考えます。CLAUDE.md に「セキュリティに気をつける」「本番には触らない」と書いてあることは、公開してよい根拠になりません。確かめるのは、書いてあるかどうかではなく、できあがったアプリと環境がどうなっているかです。
事例: Claude Code で作った画面と少し動くコードを、業務システムに
ある業務システムの例です。お客様が Claude Code で画面を作っていて、少し動くコードもありました。ご本人の PC でしか動かない状態でした。(事例の全体は、AIで作ったアプリを本番化するにはにもあります。)
公開の判断という点で、この事例から言えることを書きます。
- 活かせたのは、画面のコード。 画面は動いていて、完成イメージも共有できていました。そこで画面のコードは活かしました。
- 足したのは、動かし続けるための土台。 認証、データベース、インフラ、バックアップなどです。試作の段階では、どれも「動くこと」の外側にありました。
- 見落とされていたのは、うまくいかない場合。 既存のシステムからデータを取ってくる処理は、試作の段階でもありました。ただ、その処理が失敗したときや、処理は正常なのにデータがおかしいときにどうするかは、考えられていませんでした。この扱いは、本番化の中で整えました。
- 公開後は、お客様ご自身が運用しています。
私たちは、「動くコード」と「運用できる土台」を分けて数えるのが、公開の判断の出発点だと考えます。Claude Code が書いてくれるのは前者です。後者は、頼まなければ作られないことが多いと感じています。
私たち自身も、Claude Code で開発している
私たちは、自社と受託の複数のプロジェクトを、Claude Code や Codex で開発しています。AI で作ったコードだから使えない、とは考えていません。
使う側として大切にしているのは、Claude Code の報告を確認の入口にして、結果は別に確かめることです。この考え方は、公開前の確認でもそのまま使えます。
wizgeek にできること
5つの問いのうち、答えられないものが残ったら、ご相談ください。Claude Code で作った試作を、公開してよい状態にするお手伝いをします。
- 診断: 足りない備えを整理し、構成案をお渡しします(5万円〜、税別)。構成案をもとに、お客様側で実装していただくこともできます。
- 本番化の作業: 活かせる部分は活かしながら、認証・データベース・インフラなどの土台を整えます(別途お見積り)。
- 公開後の保守運用: 月10万円〜(税別)。
まずは、AIで作ったアプリの本番化のご相談からお問い合わせください。